まったりサボテン育生

サボテンとの生活、平凡な日々などの記録

サボテン紹介その8.エキノカクタス

 本日は、エキノカクタス属(Echinocactus)をご紹介します。この属の代表的な種類である金鯱はサボテンの王様とも言われ、温室のある植物園やサボテン園に行ったことのある方なら一度は見たことがあるかと思います。うろ覚えで恐縮ですが、ディズニーランドにあるIt's a Small Worldのアトラクションにも作り物の金鯱があったような気がします。それくらい有名です!

 かつては大半のサボテンがEchinocactusに属していたようですが様々な系統に分かれ、現在では金鯱E. grusonii)、広刺丸(E. platyacanthus)、太平丸(E. horizonthalonius)、大竜冠(E. polycephalus)等を残すのみとなっています。また、以前はホマロケファラ属(Homalocephala)であった綾波texensis)はエキノカクタス属に統合されたようです。

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去年の1月、静岡県伊東市にある伊豆シャボテン公園で撮影した金鯱です。画面中央やや右に写っている金鯱は高さ118 cm、径270 cm、重さ250 kgと国内最大で樹齢約160年だそうです。

 大型で丸く球形に生長し、その後柱状に生長していくことから、欧米ではバレルカクタス(barrel cactus,樽型サボテン)とも呼ばれます。金鯱、巌、広刺丸等は開花球になるまで数十年かかり、50 cmを超える姿とは対照的に小さな花を生長点近くで群開させます。太平丸はエキノカクタスの中でも小型で、径が8 cmを超えたくらいから大きめの綺麗な花を咲かせます。大竜冠、竜女冠は赤く鮮やかな刺を密集させ、生長して20 cm程と中型です。ただし、大竜冠、竜女冠等は生長が非常に遅く、栽培も難しいため、正木では開花するまでかなり年月を要するかもしれません。

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綾波E. texensis)。アメリカ(ニューメキシコ州,オクラホマ州テキサス州)、メキシコ(コアウイラ州ヌエボ・レオン州タマウリパス州)の原産。原産地では埋もれるようにして自生することから、別名Horse crippler、Devil's headと呼ばれます。*1寒暑に強く、フェロカクタスのように肥料を多めに育てると良い刺を出すようですが、生長期が春先の3月から6月の梅雨前までと短期間です。

 エキノカクタスは、同属でも種類によって顕著な性質の違いがあり、上で述べた4つの種類ごとに性質が分けられると思います(綾波を除く)。金鯱類は生長も早くて丈夫ですが、広刺丸類は金鯱に比べて生長はやや遅く、寒さにも弱いです。太平丸類は寒暑に強いですが生長が遅く、多湿に弱いです。大竜冠類は所謂、難物で太平丸よりも多湿に弱く、生長も非常に遅く、特別な環境を用意できなければ正木で育てるのは難しいでしょう。詳細は個々に紹介したいと思います。

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金鯱E. grusonii)。伊豆シャボテン公園に行ったとき、シャボテン狩りでお迎えした子です。もしかしたら、上記した金鯱の子供かもしれません。

世界的に普及している代表種ですが、野生の状態では著しく稀で、IUCNレッドリストの 「絶滅寸前」(絶滅危惧IA類)に指定されています。わずかにメキシコ中央部のイダルゴ州ケレタロ州に自生しており、その金鯱も90年代のシマパンダム の建設によって大半が湖底に沈み、極々少数がダム湖の崖に生き残っているのみだそうです。しかし近年、サカテカス州内で新たに別の自生地が発見されたよう です*2*3

標高1000 mを超える乾燥した高地に生息し、切り立った渓谷、崖から突き出すように生え、いくつかのコロニーを形成・群生するようです。栽培下では、寒暑多湿に特別 強くありませんが一般的なサボテンと云えるでしょう。5℃程度を保つ防寒対策をとれば越冬できますし(老株を除く)、春と秋の生長期には黄金色の新刺を出 して大きくなります。通年、直射日光に当てればご機嫌で育ちますが、環境変化や植え替え後は日焼けしやすいため注意が必要です。気難しさもなく素直に育つ ので初心者でも育てやすいですが、大型に育つので場所は考えておきましょう。

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巌(E. ingens)。広刺丸(E. platyacanthus)の一種です。メキシコ中央のチワワ砂漠原産。金鯱は崖っぷちに自生しますが、巌は平砂地に自生します。メキシコでは、髄を煮詰めてキャンディーにしたり、毛(刺座?)を織物にして利用するようです。*4大型に成長しますが金鯱に比べて生長速度は遅く、金鯱よりもややデリケートです。しかし、大竜冠の接ぎ台にされることもあり、弱い種類ではありません。

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太平丸(E. horizonthalonius)。アメリカ(アリゾナ州ニューメキシコ州,テキサス州)、メキシコ(ソノラ州ソノラ砂漠,チワワ砂漠)原産。原産地では、別名 turk's head cactus, blue barrel cactus, eagle's claw 等と呼ばれます。趣味家の間では特に人気がある種類で園芸名も多く付けられ、艶消しの青い肌にカールした太い刺、モコモコした刺座の毛が特徴的です。乾燥した石灰岩の砂漠に生息することから寒暑には強いですが、多湿に弱く、生長も遅いです。*5

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大竜冠(E. polycephalus)。アメリカ(アリゾナ州カリフォルニア州ネバダ州モハーベ砂漠)、メキシコ(ソノラ州北部ソノラ砂漠)原産。アメリカ南西部で最も過酷な乾燥地帯、デスバレー国立公園で保護されています。そんな環境で自生するため、多湿に非常に弱く、生長も非常に遅い栽培難易度の高い種類です。*6

 エキノカクタスはいずれの種類もシンボル、あるいはメインになりうる存在感のあるサボテンです。実生苗と数十年の時を一緒に歩み、豆粒だった子が両手いっぱいに大きくなったら感慨深いですね。そんな人生を一緒に歩めるエキノカクタス、サボテンにハマる貴方にオススメです!温室に一人いかがでしょうか。

 

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References

NHK趣味の園芸・作業12か月 5  サボテン

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