まったりサボテン育生

サボテンとの生活、平凡な日々などの記録

サボテン紹介その9.ギムノカリキウム

本日はギムノカリキウム属(Gymnocalycium)を紹介します。Gymnocalyciumとはギリシャ語で【裸の顎(はだかのがく)】を意味し、その名の通り、綿毛のないツルツルとした蕾・花を持ち、一般に顎サボテンとも呼ばれます*1。国内では、ギムノカリキューム縮めてギムノと呼ばれ、親しまれています。

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写真のように、ギムノカリキウムはツクシに似た特徴的な蕾・花をつけ、一目で判別がつきます。こちらは翠晃冠錦(G. anisitsii f. variegata)です。

属する種類は約120ほど知られており*2、扁平・ごつごつとした株姿、深緑~こげ茶の色合い、どこか趣のある刺、圧倒される豪刺、と千差万別な渋い容姿から日本では特に好まれ、栽培されています。また、牡丹玉の斑入り種、緋牡丹錦で知られるように、斑入りの姿が特に美しい属でもあります。種類によっては実生数年の小苗のうちからよく開花し、明るい透き通った色の花をつけることから花も見応えがあります。

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渋い茶刺に覆われ、扁平な姿が魅力的な天平丸(G. spegazzinii)。人気種で、体に巻き刺が張り付くかのように密集した個体、特徴的にカールした刺をもつ個体等々が特に好まれているようです。南米はアルゼンチン(サルタの南西からカタマルカの北東、トゥクマンとコルドバの北西)、ボリビアの原産。2000 m以上の高山に生息するため、根は過湿に弱く、やや栽培困難種のようです。*3,*4強光線下、排水性の良い用土で通風よく、真夏は高温・多湿に注意して育てるとよいでしょう。

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赤く透き通った花をつける緋花玉(G. baldianum)です。ギムノカリキウムの仲間では珍しく赤い花を咲かせることから昔は盛んに交配されたようで、その結果、白い花を咲かせる緋花玉(?)もいるようです。アルゼンチンのカタマルカ州に生息*3,4。強光線で通風よく乾燥気味に育てると変色して調子を崩す(写真右の小苗)ので、寒冷紗やすだれで遮光した軟光線下で湿度を保ちつつ育てるとよいでしょう。

一部を除いて性質は丈夫で、寒暑多湿に強く、直射日光よりもやや弱光線を好みます。ギムノカリキウムに限りませんが、刺が強い種類は強光線下(真夏は寒冷紗で遮光程度)で育てたほうが良い刺が出ますし、高山性の性質をもつ種類は高温多湿に注意する必要があり、個々に合った環境を用意した方がいいでしょう。

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強刺に瘤状でゴツゴツした稜をもち、くすんだ緑色の姿が魅力の猛鷲玉(G. nidulans)です。アルゼンチンはラ・リオハに生息。別名、鳥の巣サボテン(Bird's Nest cactus)。一年を通して直射日光下で育てるとよいでしょう。

ここまで育生した感じでは、海王丸,緋花玉,翠晃冠などは軽い遮光下(直射日光に寒冷紗一枚かける程度)で、通風よく乾燥気味に育てると赤っぽく変色し、調子を崩します。寒冷紗、真夏はすだれを使って遮光し、フレーム内に湿らせた土を敷いて湿度を保つと、深緑色の肌で綺麗に育ちます。用土は一般的なサボテン用の配合でも育ちますが、肥料分をやや多めに、水持ちの良い配合にするとよく育つと思います。新天地,猛鷲玉などの強刺ギムノは真夏は軽い遮光、それ以外の時季は直射日光下で育てると良い刺を出します。湿度を保つこと、用土は海王丸たちと同様で問題ないようです。天平丸、光琳玉は強光線下で問題ないですが、真夏は簡易温室から出して軒下で育て、涼しくなってくる秋頃に戻すように育てています。用土は赤玉小粒・日向小粒・鹿沼土小粒・バーク堆肥粒・炭粒・卵殻を混ぜたもので排水性に重点を置いています。今の所、調子を崩してはいないようです。

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深緑色で艶のある肌、ウネウネとして株に這うように生えた刺、扁平な姿等々、色々な顔とそれぞれに魅力のある海王丸(G. denudatum var.paraguayensis)海王丸は蛇竜丸(G. denudatum)の地域変種らしく、パラグアイ原産のようです。ギムノの代表種の一つで、盛んに交配されて優型種が生み出されています。その一方で、有星類のように国内に原種はほぼ存在していないようです。軽く遮光(翠晃冠,緋花玉,牡丹玉ほど軟光線にしない方が良い)し、湿度を保って育てると綺麗に育つようです。

ギムノカリキウムは園芸品種を除いても多くの種類が存在し、そのどれもが魅力的な個々の姿をもっていることからコレクション性の高い属であると思います。渋い姿はお茶を飲みながら眺めると最高です。日照の少なくなりがちな室内窓辺でも育つ種類も多く、100均でも買い求めやすく、小さなうちから開花する種類も多い、そして国内で特に好まれていることからネット等で栽培情報も得られやすいですし、エキノプシス、ノトカクタスと並んで入門種としてオススメです。あなたのお家の窓辺にギムノカリキウム、いかがでしょうか!

 

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References

*1:Gymnocalycium - Wikipedia, the free encyclopedia

*2:小島生安, 小林浩, NHK出版, NHK趣味の園芸 新園芸相談⑩ サボテン&多肉植物, 1992, P14-17

*3:Cactus-art

*4:趣味のサボテン